川端康成、志賀直哉、島崎藤村……誰もが知っている小説家の写真を見ると、タバコを吸っている場面を撮影したものが多い。なんでだろう。いまに比べると昔はタバコを吸っている人が多かったんだろうけど、違和感というか、撮影者や写真を掲載する側の意図を感じる。正直、ちょっとだけ「なんかカッコつけてるのでは？」と斜に構えて思ってしまう節がある。個人的な見解を少し書かせていただく。
昭和40年ごろの日本人男性の喫煙率は80%？ タバコが普及した理由
タバコは身体に悪い。百害あって一利なしと言われているくらいだから、健康に支障をきたすものであろう。そんなものをなぜ好んで吸うのか。こちらのサイトに書かれていた説によると……
■日本政府が喫煙を奨励した
明治以降は、その習慣性・常習性を利用して、税を徴収する手段となりました。今から１００年あまり前の「日清戦争・日露戦争」の頃、日本政府は国家収入を増やす目的で、タバコの製造販売を「国営」にしたのです。国が喫煙を奨励したことにより、昭和４０年頃には日本人男性の喫煙率が８０％を超えるという異常事態になったのです。
http://www.kamikatsu.jp/docs/2011012400205/
おいおいおいおい、日本政府。そんなマフィアみたいな発想でタバコを普及させたのかよ。
年配の方々の話を聞くと、昔は会社のなかでも駅でも新幹線の席でもタバコが吸えたらしい。たしかに古いドラマなんかを見るとデスクに灰皿があるし仕事しながらガンガン喫煙している。タバコを吸うことが日常茶飯事だったことがうかがえる。
そんなん見せつけられたら、タバコを吸ってみたくなることだろう。テレビや広告や映画ではその瞬間をカッコよく映し出し、観るものに真似したいと思わせることだろう。やばい世の中だな。先の説が本当だとしたら、それを日本政府が徴税のために奨励していたというならエライことだ。どうかしてる。
タバコを吸うことはカッコいいのか
影響力のある人たちがタバコを吸っている場面をカッコよく切り抜き流布することで、喫煙者がどんどん増える。日本政府には税金が入ってくる。このシステムは悪魔的なのでは。しかしもう遅い。俺もタバコを吸っている人を見ると、なんかカッコいいことをしてるように見えてしまう。もう脳に刷り込まれてしまった。
なんで人がタバコを吸っているシーンをかっこいいと思うのか。それはメディアがカッコいい人にタバコを吸わせて、カッコよく写真にしたり小説にしたりしたからではないのか。たとえば、犯罪者や模範にならない不良だったり、ろくでもない人間がタバコを吸っているシーンを切り出してその印象を刷り込んでいたら……。実は、これも喫煙をカッコいいと思わせてしまう気がする。
おかしなことを言っているようだが、喫煙＝悪い印象でもカッコいいと思わせてしまうのか？ タバコは世間的にダメな人間、落ちぶれた人、悪人が吸うものという印象さえも喫煙を推奨してしまうのか？ それは、心のなかにワル、不良への憧れを持っている人がいるからだろう。
タバコが悪とされても、それを実行することが世の中に反抗するようでカッコいいみたいな風潮。しかも、20歳以上であれば日本では合法だ。でも、タバコを吸えば吸うほど政府に金が入る。反抗するどころか、いいカモになっているのでは。
お酒も近いところがあるよな。酒税ってのがあるし依存性、習慣性がある。そして、なんかカッコいい、またはイケてる、楽しいものとしてメディアが刷り込もうしている節がある。酒も身体に悪いでしょう。飲酒運転なんかした日には周囲に危害を及ぼしてしまうものでもある。もしかしてタバコよりタチが悪いのでは。しかし、毎日テレビではCMが流れてるし、食事のお供なんて言ってる。大丈夫か。
こんな本もある。『酔っ払いが変えた世界史』。酒がろくでもないものだってことがわかる内容なんだけど、やっぱりおもしろおかしさがあるんだよな。もっと真剣にお酒は悪だ！って言ってる本がないか探したけど、読みやすそうで信頼に足るような内容のは見つけられませんでした……。
ちょっと脱線してしまいましたが、次のページでちゃんとおさらいしますね。