難平(ナンピン)は愚かな行為? 理性的に損切りできる人になるためには

いろんなネタで記事を書いてきたが、ついに株式投資の話をすることになった。とはいえ、俺は健康的(?)にほんの少しだけ株をやってるだけで、現物のみの取り引きしかしていない。ちょこちょこ儲けてるって感じだ。損はしてなかった。そんななか、買っていた株の価格が急落した……。そして、俺は難平(ナンピン)をしてしまったのだ。あの局面、思えばナンピンなんかせずに、手元の株を売ればよかった。って、なんの話してるか分からない人もいると思うので、以下に少しくわしく書いていく。個人的な結論としてはナンピンは、あまり賢い行為とは言えない、と先に結論を置いておく。

難平(ナンピン)って何? どういう意味?

難平(ナンピン)というのは、株取引をする人のなかでしばしば使われる用語。一応、手元の広辞苑から引くと

なん-ぴん【難平】
(ピンは唐音。難すなわち損を平す意)

①予想に反して相場が騰貴または下落した時に、さらに売増しまたは買増しをして、売値の平均を引き上げまた引き下げて、損失をならそうとすること。

②転じて、身のほどを知らない者。おろか者。

と、いうことです。①でどういう意味かわかったと思う。②で、それが愚かな行為であるということだと書かれている。もう、言葉の意味として愚かな行為ってことらしい。まぁ、俺は身に染みてるから、そうですね、としかもう言えない。

俺が難平(ナンピン)してしまった状況

では、なぜナンピンしてしまったか、状況を説明するぜ。

すこし数字をぼかしつつキリのいい感じにしちゃうけど、俺は、100株を4,000円で購入した株を3カ月ほど保有していた。それ以前に、6,000円ほどだった株だ。買った当時は「安く買えてラッキー」と思っていた。

ある日、その株の価格が3,000円に下落した。うわー!って思った。そして、少し調べてみるとこれ以降、株価が上がる要因はすぐには見つからない状況だった。正直、あせったよ。

幸運なのか、これまで株で損をしたことは一度もなかった。だから、損を被ったときの動き方というものが身についていなかった。株式売買をするアプリって、いろんな数字が見られるようになっていて、保有株式の場合は

  • 保有数
  • 購入価格
  • 預かり区分
  • 時価
  • 損益
  • 損益率

っていうのが、さくっと見られるように表示されている。俺は毎日、損益と損益率を見ている。まぁ、いまいくらだから買ったときに比べてこれくらい高くなっているから儲けてるね、みたいな指標しか見ていないのだ。仕方ないよ、素人に毛が1本だけ生えてるみたいなレベルだから。

で、問題の株なんだけど、損益と損益率のところの数字が赤くなってて、-100,000円みたいに表示されてるのよ。損益率も赤く-20%みたいに。

うわーって思いながら、すぐには動けず、数日ようすを見た。株価は上がることなくじわじわ下がっている。ここで、誤った心理が働いた。

「おっ年安? いまめっちゃ安いじゃん」
「下がった直前の3,000円で買わなくてよかった~」

ということで、急落して数日後の株価が2,500円のときに100株買い足した。そこで俺は

「よかった~得したわ。安く買えたわ」
「損益率も数パーセント下げられたし、持ち直せそうだな」

とか思ったわけだった。そう、これがナンピン。4,000円時点で購入した株と3,000円時点で購入した株価の評価が平均され、状況が改善されたように見える。だがしかし、考えてみてほしい。次の章でよく考えさせてほしい。

「株価が急落したらナンピン」という判断の危うさ

100株買い足してナンピンした時点で、変化が生じていない数字がある。それが損益の100,000円だ。そう、ナンピンしたところで1円も儲かっていない。損益率と購入価格の数字は下がる。なんとか窮地から少し離れた気になっていたが、もうその考え方がおかしかった。手元には200株。

結果論かもしれないが、急落直後に売っていれば、もう少し傷口が浅くて済んでいた。簡単に検証していこうと思う。

前提:
4,000円の株を100株所有。※すでに400,000円を支払っている状況と考える。事後に200株を所有している状態を結果とする。

状況①:
4,000円の株の価格が3,000円に下落

状況②(①のその後):
3,000円の株の価格が2,500円に下落

状況①のときに損切りをした場合の動きを考える。手元の100株を売却していた場合だ。まず100,000円の損になる。手元にはすでに支払っていた金額の400,000円のうち300,000円が戻る。

そして状況②を迎える。このとき、売った100株も買戻しつつ、先の状況に合わせるように200株購入する動きをとる。このときかかったお金は、2,500円×200株で500,000円。損切りで確定した損失の100,000円を足すと600,000円の出費だ。

そう、かかったお金――費用を見てみるといい。上記の仮定と、実際の状況でかかったお金とを比べて見てみよう。

実際の状況:
状況①の時点|400,000円を支払ったままの状態。
状況②の時点|250,000円を追加で支払った。

かかったお金は650,000円。そのうち確定した損失は0円。

さて、状況①の時点で株を手放して損切りし、状況②の時点で売った株を買戻しつつ100株買い増した場合にかかったお金が600,000円だった。そのうち確定した損失は100,000円。

650,000 – 600,000円=50,000円

かかったお金の差が50,000円になる。つまり、50,000円も損をしている……。

うわぁ……。これは愚かだわ……。ナンピンは愚かな行為だったわ……。

たとえば、その後株価が5000円に上がったとしても、ナンピンせずに損切を挟んで買い戻したほうが、明らかに儲けが大きいことは、わかるよな?

わかりにくいかな。つまり、損失を確定させる勇気を持つことで、50,000円の損を回避できたってこと。だよな。計算が得意ではない俺でも、これくらいは間違わない自信はあるぞ……?

次のページでは、ナンピンに走らず理性的に損切りするための方法を書いてみました。

この記事を書いた人

1990年生まれ。サラリーマンの男。神奈川県在住。
思春期のころ、肌や毛のトラブル(?)に悩まされ、振り返ればコンプレックスを抱えた青春を送ってきた。そのせいか自意識過剰になり、さまざまなスキンケアや毛のケアを試してきた。似たような悩みを持つ人たちの助けになれればと思っています。好きなものはメラノCCとユニクロと無印良品。

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後悔とミネラル