J.M. WESTON(ジェイエムウエストン)のローファー(#180)を買わなかった理由|男の新定番ローファー探訪 第2回

J.M. WESTONのローファーにもゴム底はある

J.M. WESTON(ジェイエムウエストン)のシグニチャーローファー(#180)に関して、個人的に注目すべきだと思っているのは、ソールの厚み。ウェストンの靴は、ワイズが複数用意されていることからも、内側も外側も必要以上のゆとりを持たせていないため、ジャストフィットで購入すると大足に見えない。逆に言うと小足に見える。そんな、ちょっと靴のボリュームが足りないかなーと感じる部分を補っているのが、ソールの厚みだ。

アウトソールでいいのかな? ウエストンの靴は標準的にここがいい塩梅でゴツイ。なので、絶妙な存在感を維持できている。カジュアルにも対応する感じで、脚長効果にも貢献する部分だね。

しかし、アウトソールが厚いと返りが悪くなり歩きにくい。靴が歩くときに足に合わせて反り返らないってことね。厚い板より薄い板のほうが曲がりやすいよね。ちなみに、一般的にこの返りに関しては革底のほうがゴム底よりも優れていると言われている。厚みのあるソールでも革だと履いていくうちにやわらかくなって歩きやすくなったりするしね。ゴム底でもダイナイトソールは返りがいい、らしい。ウエストンの靴に修行が伴うっていうのは、アウトソールの厚みにもちょっとだけ原因があるのかも?

で、今回紹介しているウェストンのシグニチャーローファー(#180)はゴム底のもの。実はあるんだよね。ゴム底。ハイクラスの百貨店の紳士靴コーナーにはだいたいJ.M. WESTONは置いてある。でも、ゴム底のモデルは置いてなかったりする。いろいろ工夫してるんだろうけど、革底よりなじむのには時間がかかるんだろうな。

ジャストサイズでも見た目のバランスはいい。存在感はある。俺は足が小さいから、ちょっと小足に見えるかな。欲を言えばもう少しだけボリュームがあるとうれしい、かな。パーソナライズでダブルソールとかにもできるみたいだけど、そうするとさらに馴染みにくくなるんだろうな。でも、かっこいいと思うよ、ウェストンのローファーのダブルソール。ちょっと憧れるよな。

J.M. WESTONのローファー、結局、購入は見送り

結局、購入は控えた。大きな理由はやっぱりフィットかな。万力締めを越えると夢のような履き心地が待っているのかもしれないけど、俺にはイメージできなくて……日本人に最適化されていない靴に10万以上出すのは、ちょっと怖くて購入を控えました。

この問題、海外モノのローファーに付きまとってくる問題だったので、ウェストンのレビューはひとつ目安になるかもしれない。まぁ、ちょっともったいない話だよね。紐靴だったらこのへんなんとか妥協できそうだけど、ローファーはちょっと勇気がなかった……。

でも、ストイックな方々にはぜひウエストンのローファーにチャレンジしてほしいものである。だって、こんなかっこいい見た目のローファーはないよ。足に馴染めばそれこそ一生ものだろうに。

そしてもうひとつの理由は、靴のボリューム。ジャストフィットで履くっていうのはあるべき姿なんだけど、俺は足が小さいからもうちょっとだけボリュームが欲しいところだった。俺も見栄っ張りなところがあって、なぜか足を少し大きくみせたいんだよな。もしかすると、ボリュームのある靴とかチャンキーなソールとか、そういう昨今のトレンドの影響も無意識に働いているかもしれない。

ファッションはやせ我慢だっていうけど、それを体現してる一足だと思う。そのいっぽうで、文字通り等身大の足にちょっとボリュームを足すくらいの控え目な主張のある靴。J.M. WESTONのローファー(#180)は、そういう靴なんじゃないかなーと勝手に結論づけちゃいました。履いている人を見たら、絶対「おぉ!」と思う。うらやましいな、と思う。そういう意味では、ほんとに憧れの靴です。ちゃんとフォローできてるかな……。