ALDEN(オールデン)のローファー「99267」 日本人向けラスト×カーフの魅力|男の新定番ローファー探訪 第4回

ALDEN(オールデン)のローファー「99267」 日本人向けラスト×カーフの魅力 02

ローファー特集、第4回です。ペニーローファー(コインローファー)であり、色は黒、表側でゴム底(ラバーソール)、ノーズが長かったりシェイプが細すぎないクラシカルなデザインのもの。このへんを満たすローファーを紹介しています。そしてなにより履き心地。探し回って試し履きを重ねて感じたことを、共有できればと思ってます。

第4回はALDEN(オールデン)のローファー。モデル名とかないのかな? 「99267」っていう型番のローファーを履きました。オールデンといえばコードバン、硬くてタフな印象の馬の革のやつね。でも今回は、カーフのやつにしました。コードバンだと硬すぎて、ローファーだと特に痛くてやばいと思ったから……。実際どうなんですかね? では、書いていきます。

第1回 三陽山長「弥伍郎」の記事はこちら
第2回 J. M. WESTON「#180」の記事はこちら
第3回 Paraboot「Adonis」の記事はこちら
第5回 HARROGATE「SHOREDITCH」の記事はこちら

コードバンじゃないALDEN

米国の革靴のド定番にして王者なのかな、ALDEN(オールデン)のローファーも魅力的だ。ALDENといえば革のダイヤモンドなんて言われてるコードバンを使った靴が有名で、すっごい硬い革質のイメージが強いと思うけど、カーフの靴もある。で、今回試着したのがカーフのローファーね。

先にちょっと書いたけど、コードバンを避けた理由はその硬さがローファーにおいてはデメリットだと思ったから。知り合いでオールデンのチャッカのコードバンを履いてる人がいたんだけど、最初のほうは足首から血が出るほど大変だったんだって。まぁチャッカは踝(くるぶし)の上くらいあるから、そこがぶつかるよね。

では、履き口が広くて浅いローファーならコードバンに耐えられるか?って言われると、問題はそこじゃなくて靴全体のやわらかさ。コードバンも履いてりゃ馴染んでいい感じになるって言われてるけど、それまでの地獄に耐えられる自信がない。ローファーで革が硬いと返りに影響して歩きにくいだろうし。

コードバンは伸びないっていう噂もある。しかしお店の人の話を聞くと、実際は伸びるし、一回自分の足の形になれば、形状記憶性が高いから履きやすいぜって見解も多い。まぁ印象で語るな、実践しろって話ね。

あと、コードバンは濡れるとシミになるっていう話。これはガチっぽいんだけど、手入れすれば大丈夫らしい。でもやっぱり、カーフよりは濡れたときにシミになりやすいし目立つみたい。今回はゴム底で、雨の日も履くかもしれないと想定しているなかで、これはちょっと怖いな。このへんも、実はメンテナンスは大変じゃないよという声もあるので、俺のほうで断言はできない……。参考にならなくて申し訳ありません……。

結局、俺の判断基準は値段ですね。いまラコタハウスさんのサイトを改めて見ると、コードバンだと17万円くらい、カーフだと11万円くらい。もちろん素材が違うだけじゃなくて、デザインもちょっと違う。モカ縫いの位置とかね。うん、ていうかこれ、それぞれ違うモデルだね。百貨店にあったのも、この2つのモデルだったはず。

まぁ、手に届きやすくて、勝手を知ったるっていう観点で、いろいろと日和ってオールデンのカーフのローファーを手に取らせていただきました。価格の観点を優先したけど、モカ縫いの位置もカーフのほうがポテッと見える感じが好みかな。

オールデン「99267」そのルックスは?

まぁ、かっこいいのよ。オールデンはやっぱり。

ズッと張り出したコバにインパクトがあるし、フォルムも言うことないのよね。モカ縫いにも特徴があって、二枚の革を手を合わせた形のように縫い合わせる「おがみモカ」ではなくて、一枚の皮に針を通して中間を盛り上がらせるような縫い方になってる。

実は個人的にはおがみモカみたいなスッキリしたほうが好きなので……ポイントにはなりませんでした。なんか、アクの強さを感じるのよね、アメトラ感というか、いや、好きな人は絶対好きなやつなので、否定はまったくしないぜ。(とか書いてますけど、実際はオールデンに近いかたちのモカ縫いのローファーを買いました…後日そちらはレポートします…)

俺の履いたモデルがそうだっただけかもしれんけど、ソールが案外薄いのよね。あんまり背が高いほうではないから、正直、もう少しだけ厚くしてくれたらと思ったり。まぁ、そんなケチのつけ方、やめたほうがいいですよね。すみません。俺があと10cm脚が伸びてスタイルよくなったら、すさまじく似合ってたと思うぜ。ソールをダブルでオーダーすれば!って話かもしれないけど、そうするとまた履き心地に影響するから……。

ちょっとソールの厚さ問題に脱線するけど、革靴の底は薄いと返りはよくなるけどクッション性が下がる。厚いとクッション性が上がるけど、返りに影響する。ヒールは基本的には何枚もソールが重なってるから問題ないんだけど、トゥ側に課題がある。でも、Paraboot(パラブーツ)「Adonis(アドニス)」のGALAXY SOLEみたいに、返りに影響するソールの中間地点だけ薄くするとか、そういう工夫で補える部分でもある。

ってか、革かなりキレイだな。ガラスレザー寄り――こう書くと安っぽい(ガラスレザーに失礼)と思われるかもしれないけど――の硬質さとカーフの滑らかさを両立してる感じで、タフだけど高級感のある印象。これはかっこいいよな……。

次のページでは、実際の履き心地をお伝えしていきます! どうぞ引き続きご覧ください。