ちょっと前に、話題の「ファミマのサンダル」を購入した。購入の動機は会社で靴擦れして痛くてたまらんかったから近くのファミマでこのサンダルを発見したからなんだけど、2,990円とやたら高くてびっくりした。あとから何やらファッション好き界隈で話題ということを知った。FACETASM(ファセッタズム)の人が関わっているとかなんとからしい。なので、先入観なしにこのサンダルをレビューできると思うぜ。よかったら読んでみてください。
トレンドのリカバリーサンダル風デザイン
けっこう有名な日本のファッションブランドであるFACETASM(ファセッタズム)が関わっているということで、ファミマのサンダルはデザインという点でお墨付きだ。では、どのへんにファッション性が感じられるか、ちょっと見てみたいと思う。
まず、トレンドとしてリカバリーサンダルのブームがある。ファミマのサンダルは「リカバリーサンダルぽい」デザインで、トレンドのど真ん中に躍り出たという構図だ。
リカバリーサンダルとは、その名前の通り、回復を促すもので、この場合でいうと身体とか足の疲れの回復ということだと思う。特徴としては、足を締め付けることなく、歩く際の衝撃も吸収してくれて、履いていてラクだという点。
本来は、医療やリハビリテーションとか、専門的なカテゴリに入る靴なんだろうか。本来的なものの場合、土踏まずをしっかりとサポートしてくれたりと緻密にデザインされているもののようだ。その定義が少しあいまいになり「リカバリーサンダル」が靴のデザインのひとつとして認識されているような気がする。
パッと見すると、トイレにいくときとかベランダに行くときとかに履く健康サンダルだけど、なんでリカバリーサンダルが流行ったのか……。諸説あるみたいだけど、やっぱりセレブの影響なのか。セレブ御用達のファッションブランド「YEEZY(イージー)」が「YEEZY SLIDE(イージースライド)」っていうリカバリーサンダルみたいなサンダルを出して、セレブがこぞって履いたらしい。
ここでちょっとツッコミどころが出てくると思う。たぶんセレブの方々はふだん疲れているから楽なサンダルとか履いて少しでも回復したいと思っていたところに、カニエさんがYEEZYからYEEZY SLIDEを出してくれたから「これならYEEZYだし履いててもファンをがっかりさせないかも」と勇気を出して普段履きしたのではないか。
カニエさんは、セレブの悩みとその影響力のどちらもを考慮してビジネスチャンスに変えた。なんかいい話なのかどうかわからんが、セレブの人たちにとってはうれしかったと思う。
メディアに撮影された彼らの写真にはYEEZY SLIDEが写り込み「なんだあれは?」となり、みんなが真似したがる。そして、みんなリカバリーサンダルで健康になる……なんかよくわからんトレンドだが、健康になるなら悪い話じゃない気もする。
で、リカバリーサンダルがひとつのファッションのカテゴリに入ったわけだけど、ファミマのサンダルもそこに食い込もうってわけだ。なにせYEEZY SLIDEにけっこう似てる。だから、ファミマのサンダルはリカバリーサンダルなのか?って聞かれると「厳密にはリカバリーサンダルかどうかわからんけど、YEEZY SLIDEっぽい」とは言える。そんなものだと思う。
ファミマのサンダルのサイズ感は?
前章にもかかわるのだが、リカバリーサンダルであれば履き心地がよい、のだろうと思うのではないだろうか。しかし、個人的には履き心地がよいとは思えなかった。
サイズの問題もあると思う。 2サイズ展開でS(23-24cm)と M(26.5-27.5cm)しかないのだ。おそらく、Sが女性、Mが男性という想定で2種類のサイズを用意したのだろうが、足のサイズがSより小さい人、Mより大きい人もいるだろう。万人にフィットするようなコンセプトではなく、履き心地を最優先したサンダルではないのではないだろうか。
俺が買ったのはSサイズ。ふだんは24.5~25.5cmの靴を履くので、どちらかというとSサイズだろうと判断した。ちょっと大き目に作られているだろうと予想して実際に履いてみたところ予想通り、ぴったりであった。たぶん、もう少しゆとりを持って履くものなんだろうなという気もしたけど。
ちなみに、商品陳列の様子からしてラックに普通にぶら下がっているだけなので試着できる雰囲気ではない。まぁ包装されていないので店員の目を盗んで試着しようと思えばできそうな気もするんだけど、たぶん怒られる。もしかするともしかして、店員さんに声をかけると裏にサンプルがあって試着とかできたりするのかな……?
ファミマのサンダルの履き心地は?
さて、履き心地について。会社での中履きとか、昼休みに近くのコンビニに行くときそのまま履けるものとか、そういう用途を想定して買ったものだが、それくらいの用途であれば問題ない気がする。つまり、一日中履けるような、長時間歩けるような履き心地のようには感じなかった。
フィットに関しては、ピッタリサイズだったのでズレるとかそういうことはなく、締め付けもなく包み込まれるような感じがあった。けっこういい感じ。
歩きやすさは、少し慣れが必要な気がした。ちょっと不安定というか、底が厚めなんだよね。このへんがファッション性なのかもしれない。ボリュームがあってかわいい感じがある。しかしその分、ふわふわした感じというか、意識してあるかないとふらふらするような感覚だった。もしかして、姿勢を正す矯正靴の側面もあるのかな? バランスボール的というか、そういう意味では(姿勢の)リカバリーサンダルなのかもしれない。
クッション性については、少し言及したがソールの厚みとふわふわした感じ……というかボヨンボヨンとした感じで、足が痛くなることはないんだけど、なんか揺れるっていうか……酔いそうな感じがある。すみません、俺が履きこなせていないだけなのかもしれないけど、ずっと歩いていると少し気分が悪くなりそうな感じがした。すみません。
通気性についても書いておくと、ここはあまり期待しないほうがいいと思った。穴がアッパー?のとこに2箇所空いていて、そこである程度ケアされていると思うんだけど、素足で履くと気持ち悪いというか、まぁ全面EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)なので仕方ない。靴下といっしょに履いたほうが快適な気がします。
ファミマのサンダルのファッション性は?
ファッション性とか書いてしまいましたが、履いてるとおしゃれに見えるかどうかってことで言うと、どうなんでしょう、トレンドという点では無難に押さえている気がする。けど、トレンドという前提がない場合、クロックスとかトイレサンダルとあまり変わらないのではないのかもしれない。でも、ちょっと他とは違う感じが、FACETASMの監修によるものなのか。
黒の色味は、やっぱりEVAぽさというか深い黒ではないので安っぽさはある程度は出てしまう。でも、この色味や質感にはこだわりを感じるというか、ただのサンダルではないという感じはある。いや、あまり期待させるのはあれなので、少しだけ高級感はある、というくらいにとどめておくか……。
シルエットは、ボリュームがあるのでポテッとしたかわいさはある。これはけっこういいかもしれない。靴下とキレイにコーディネートすればおしゃれで、ファッションぽく敢えて履いているように見える気はする。
ファミマのサンダルに2,990円の価値はある?
さて、ファミマのサンダルは買いでしょうか?
個人的にはサイズが合えば買っておいてもいい気はする。俺の場合は、たぶんあと0.5cmとか1.0cm大きいサイズがあればもう少し履き心地がよくなって、見た目のバランスも整った気がしてる。
2,990円という価格については、ありだと思う。なんというか、この「少し高いんじゃない?」くらいの価格がこの商品の価値を担保している気がする。これが1,000円とか1,999円だったら、もしかして見向きもされない商品になっていたかもしれない。少しの手の伸ばしにくさが普及率をいい塩梅で下げて人とかぶりずらくなり、その価値を認めてお金を出したというところで、感度の高い人のみにユーザー層を絞り、結果ブランディングになっているような……そんな気がします。
おすすめかと問われると……ちょっとほかのリカバリーサンダルも試してから答えたいかな。ファミマのサンダルがきっかけで、YEEZY SLIDEがちょっと欲しくなった。サイズ展開も豊富で色バリエーションも豊富、なにせアディダスの商品なんだから履き心地はコンビニがプロデュースした商品とは違ってくると思う。
YEEZY SLIDEはいま9,350円? YEEZYのトレンドアイテムということで、発売されたらすぐに売り切れてAmazonとかだとやばい価格になってるな……。
さすがに手に入りやすさはファミマのサンダルの比じゃないけど、欲しくなってきたぞ。そういう意味では、ファミマのサンダルはトレンドに対する意識をアップデートしてくれた出合いを提供してくれたのかもしれない。ですね……?
3000円くらいでファッション性があって履きやすいサンダルなら、アディレッタがおすすめかな。シャワーサンダルっていうんだっけ。トレンド感のあるボリュームはないけどサイズも豊富で履きやすいし。
っていうか、こういう定番のアイテムってエモさがあるよね。会社の中履きにはちょっとラフすぎるけど。でも、こういうのが名作なんだと思う。