男のヒゲ脱毛――2年で6回の料金と効果

ヒゲ脱毛

毛深くて、いいことってある? 脱毛しない理由って、逆に何? 俺は、思春期のころからずっと疑問だったし悩まされてきた。本当に、ヒゲの濃さでつらい想いをしてきた。はっきり言って、毛深くなければもう少し自分のことを好きになっていただろうし、モテていたと思う。そして俺は、社会人になって脱毛をした。ヒゲと全身だ。結論「もっと早くやっておけばよかった……」としか思っていない。

ヒゲが濃くていいことは何もなかった

毛深い人間の悩みは、毛深い人間にしかわからない。たとえば、ヒゲが濃いとどうなのか。

高校生のころ、俺は毎日ヒゲを剃っていた。

他の男子学生は、ヒゲなんか剃らないやつがほとんどだった。剃るとしても、たまにT字カミソリでなでるくらいで、すぐにツルツルになる。

そんな傍ら、俺は毎日シェービングホームをつけて、肌を傷つけないようにゆっくりT字カミソリでヒゲを剃っていた。それでも思春期の男の肌に肌荒れはつきもの。ニキビがある箇所を剃ると出血してしまう。

そして、ヒゲをそると肌がひりひりする。ヒゲが濃いから深剃りをしないときれいにならないので、肌が傷むのだ。それを緩和するために、化粧水を塗る。当時はスキンケアの常識なんかないから、乳液を塗っておらず、肌はすぐに乾燥。肌荒れのスパイラルに陥る。

うまく顔面がキマらないなか、出血した箇所の血を拭きながら、赤く荒れた肌のまま通学。自分の顔がきれいじゃないから、相手の顔を見て話せず、挙動不審ぎみになる。

自意識過剰かもしれないが、ヒゲを剃ると鏡を見ることになり、それが毎日繰り返されると、刷り込みで自意識が高まってしまう。これもよくない。

同級生はというと、洗顔も水でさっと洗うだけ、ヒゲも剃らず、保湿もしない。それでも肌はつるつるだ。俺が毎朝10分かけてヒゲを剃ってスキンケアをしているのに、みんなは10秒で済ませている。日々の時間を積算すると、すさまじい差が生まれる。それでいて、俺より全然肌がきれいなのだ。

そいつらが「ヒゲが濃いのいいよね」とか俺の話を聞いて、軽口をたたいていたのだが、それを真に受けて、一時期ヒゲを伸ばしていることがあった。もちろん、その間のあだ名は「ヒゲ」になった。強面でもないのにヒゲを伸ばしていた俺は、よくわからない年齢不詳感でだいぶ気持ち悪かったことだろう。

ヒゲ脱毛に通おうと思ったきっかけ

このあたりの話は、続けようと思えばいつまでも続けられる。大学生編の話なんて、悲惨なもんだぜ。でも、それだとブログが終わらなくなるので、ヒゲ脱毛に至ったきっかけを話そう。

ヒゲ脱毛には、以前から興味があった。だって、雑誌やウェブであれだけバンバン広告を出してりゃ、コンプレックスを意識させられて、気になっちゃうじゃんかよ。あれもひどいよな「ヒゲ濃いのは不潔」を、大衆に刷り込みまくってる。いや、ヒゲ濃い俺から言わせると事実ではあるんだけど。

ひとつ伝えておくが、ヒゲが濃くてもかっこいいやつがいる、モテるやつがいるのは事実なんだけど、それはごく一部だからな。そもそもイケメンだとか、コワモテで似合うとか、条件が合致しないとダメだから。そして、俺はどちらにも該当しなかったから、本当に辛かった。まぁ、自意識過剰になって、性格がひん曲がったせいもあるだろうから、それもモテない原因だったのかもしれないけど……。

とまぁ、少し脱線したが、前々からヒゲ脱毛には興味はあった。しかし、大学生のころは学友や親の目があって、なぜかできなかった。「男のくせに脱毛?」「あ、やっぱり気にしてたんだ?」と思われるのが嫌だった。これも自意識過剰、ナルシストが陥りがちな考え方だ。正直、いまになっては理解できないが、当時はとても深刻な問題だった。

それに、学生時代は金もなかった。ヒゲの脱毛は激安のエステなどでも提供されているが、最初だけ激安でどんどん高額な請求をしてくるとか怖い噂ばかりだった。当時は脱毛に関する情報も充実していないから、肌が焦げるとかシミになるとか、逆に濃くなるとか、いいイメージがなかった。

濃いヒゲに悩みながら青春時代を終え、社会人になった俺。以前より人の目も気にならなくなり、お金も手に入り、脱毛は危険ではないというたしかな情報も提供されている状況になった。それに、脱毛に通っている男性は意外に多いというデータも出てきた。

さまざまな不安材料がなくなり「ものは試し」という気分で、ゴリラクリニックに電話しカウンセリングを受けた。医療脱毛を提供しているクリニックだ。

値段は安くなかった。アゴ・ホホ・アゴ下の3部位を6回繰り返すコースで、20万円近く支払った。たしか、保湿のスペシャルケアみたいなのもセットだったか。やはり、最初は石橋を叩いておきたいので、そういうオプションもつけたのだ。

つまり、意識するきっかけはすぐに生まれていたのだが、行動するきっかけは機が熟してしか俺には訪れなかった。何度も言うが、もっと早くやっておけばよかった。あのとき、勇気を振り絞っていれば……。

でもお金の話ばっかりは仕方ないから、まぁもし早くできたとしても大学生時代くらいだったかな。ローン組むことになるから、学生には恐怖だよな。でも、気になる人はやっといたほうが絶対いいよ。

次のページで、いよいよ実際にヒゲ脱毛に通ったらどうなるか……レポートするぜ。